『ラビットホール』は無事に千秋楽を迎えられました。ありがとうございます。
『ラビットホール』のブログにおいでの皆様、公演は昨日千秋楽を迎え、無事終了致しました。ありがとうございました。
さて『ラビットホール』最後のブログでは、この人たち達が居なければ舞台がそもそも立ち上がらない、という縁の下の力持ち、大切なスタッフの面々をナット役の要田禎子がご紹介致します。



ハート三輪学・みわまなぶ 舞台監督(後列1番右)
 スタッフの親玉です。嘗てイギリス人の演出家が言っていました。全ての舞台芸術のヒエラルキーの頂点の位置に舞台監督は存在するって。何人も舞監には逆らえないって。それは世界中変わらないって。
 そんな偉い人ですが、三輪さんは優秀な役者でもあります。12月の『クリスマス・キャロル』ではジェイコブ・マーレイの亡霊、他を演じます。鎖に繋がれた長身のマーレイの亡霊の登場シーンに是非ご期待ください。
 舞台監督として一番神経を使ったシーンは、ベッカがラビットホールに落ち込んでいくシーンだそうです。スモークの流れを作る風の調節は繊細で、一瞬で舞台をパラレルワールドにいざないました。照明、音楽、役者、全ての調和の賜物です。



ハート落合撤・おちあいてつ  小道具担当(後列1番左)
 彼の仕事の最大の功績は、ダニーのベッドの「ロボット柄のシーツ」を見つけた事でしょう。子供部屋は何とも不思議な円柱で表現されて、その上に縮小されたダニーのベッドが置いてあるのですが、客席から見てもその柄がロボットだと分かる絶妙な絵とベッドの大きさとのバランスが完璧なのです。そこに横たわる今は亡きダニー君の姿が思い浮かべられる、そんなシーツでした。完璧過ぎる!
 落合さんもまた優秀な役者です。2021年Peace Boxでチェーホフ作『かもめ』のソーリンを演じました。繊細でそれでいて力強い、そんな演技ができる人です。今後の活躍にご期待ください。



ハート古谷みちる・ふるやみちる 衣装 小道具(消え物)担当(後列センター)
 古谷さんの作るケーキは美味しかった!只ひたすら美味しかった。
 古谷さんはバースデイケーキ、レモンスクエア、クレームカラメル、そしてバースデイケーキのチョコレートプレートも作りました。もうパティシエになれそうな腕前の生クリームのデコレーションは完璧でした。観劇の感想で「美味しそう」が少なくなかったのは古谷さんのお仕事のお陰です。期間中ちょっと太った出演者も居たとか、誰とは言いませんがね。ともかく幸せな甘い香りが開演前の舞台裏に毎日漂いました。
 古谷さんは2019年の『8月のオーセージ』では家政婦のジョナを演じました。インディアンの血を引くジョナが全ての家族に寄添う様にそれでも冷静に見守る姿が印象的でした。2021年の『プカプカ漂流記』では新興宗教の真面目でちょっとヒステリックな信者を演じました。古谷さんの今後に注目してくださいませ。


ハート高橋慧・たかはしけい  小道具担当(後列右から2番目)
 「私が一番緊張したのは、ベッカがラビットホールに落ちるところです。後ろからサッと光が当たるのですが、その光源の穴をスライドさせて開けるのが私なんです。滞ったらどうしよう、綺麗にサッと開けられるかなって毎回緊張してました。」と高橋さん。
 大丈夫、いつも成功していました。頼もしい準劇団員。
 高橋さんは、2022年、若い演奏家の為のプロジェクト主催の音楽付き朗読「銀河鉄道の夜」ではジョバンニを元気よく演じました。よく通る真っ直ぐな声でジョバンニの心情を素直に表現していました。ご覧になった方もいらっしゃると思います。今後の活躍にご期待ください。


ハート横井麻子・よこいあさこ   小道具、衣装担当(後列左から2番目)
 舞台前面に並べられたおもちゃやぬいぐるみの数々。全て計算されて並べられていました。2幕でベッカとナットがそれらを全部片付けるのですが、特に横井さんが気を使ったところは、ダニーのベッド上の「うさぎ」だそうです。ベッカが母親に問いかけるシーン。ベッカはベッドボードにもたれる様に寝そべって置かれた小さなウサギをゆっくり取り上げます。もしかしたら全てのお客様には見ることができなかったかもしれませんが、そのウサギはダニーの様でもあり、ベッカの悲しみの様であり、楽しい思い出の様でもあり、ついそこに集中して見てしまいそうになるウサギでした。
 横井さんも準劇団員。大阪出身の明るく頼もしい後輩です。今後の活動に是非ご注目くださいませ。

彼らスタッフが居なければ舞台は始められません。彼らの心遣いが芝居を後押ししてくれました。もし舞台をご覧になってまだ脳裏に舞台のご記憶が鮮明なら、是非ご紹介したスタッフのお仕事も合わせて思い起こしてくださいませ。きっと更に具体的にシーンが浮かび上がってくる事でしょう。そうなったら私達出演者も本当に幸せです。


『ラビットホール』のブログ記事はこれをもって最後と致します。最後まで読んでくださりありがとうございました。
 また、ご来場くださった方々、心からお礼申し上げます。ありがとうございました。
 今後も劇団昴の活動をご支援くださいます様宜しくお願い申し上げます。
| 稽古場日記::ラビット・ホール | 20:15 | comments (x) | trackback (x) |

  
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