「親の顔が見たい」九州編 便利アイテム 三輪学
こちらのブログでは『リア王』以来となります。
三輪学です。

今回の『親の顔が見たい』の九州巡演にスタッフとして同行しています。

巡演ということで、もちろん東京公演とは違って、
様々なものが『旅仕様』となるわけですが、
舞台セットもそのうちのひとつであります。

トラックに積み込む

劇場に搬入する

セットを組みあげる

本番

セットを解体する

トラックに積み込む

という手順を各会場で行うわけですから、
色々と工夫がしてあるわけです。

ひとつの会場のみで行われる公演の場合、
各パーツにわかれている舞台セットを組みあげる場合、
釘や木ネジなどが使われる事が多いのですが、

★すばやく組みあげる!
★すばやく解体できる!
★そしてセットを痛めない!

ということを考えると、釘やネジ止めはベストではないんです。

そこで今回のセットで使われているのが
この『抜き丁番』



通称『ヌキチョウ』であります。

このようにセットの連結部分につけてあります。



そう、みなさんご存知、ドアなどの開閉するものに使われている
『チョウツガイ』のようなものであります。
チョウツガイは『蝶番』などと表記されますが、
『丁番』と書かれる事もあるんです。
それでそのまま『チョウバン』と呼ばれることが多いものです。

このヌキチョウ、何が普通のチョウバンと違うかと申しますと、



このようにピンを抜きますと…



左右バラバラにわかれるんですね。



このチョウバンでセットのほとんどが連結されているんです。

組みあげるときはピンをさし、
解体するときはピンを抜く。

これだけで釘やネジを一切使わずに作業は完了します。

当然普通のチョウバンと同じ機能をもっていますので、
このように折りたたむこともできます。



今回はありませんが、あるシーンではドアがついていて開閉し、
あるシーンでは舞台転換されドアがはずされてただの開口部になる…
なんていう使い方が舞台でされることもあります。

ちなみにピンに黒い針金のような
ものがついているのは、最初っからセットにピンを備え付けておくための工夫です。
これでピンを取り出して差し込むという手間が減り、さらに作業スピードが上がります。

こんな便利なものがなぜ一般家庭に普及していないのか?

ほんとに謎です。

まず普通のホームセンターなどでは売っていません。

売ればいいのになぁと思っていますが、

よくよく考えたら一般家庭でヌキチョウが必要なことってほとんどないですね。

そりゃ売っていないわけです。

んーでもやっぱり便利だと思うんですけどねぇ。
| 地方公演::親の顔が見たい | 23:52 | comments (x) | trackback (x) |

  
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