千両蜜柑
ファレリー家の家政婦アニーズを演じています要田禎子ようださちこです。
旅も中盤過ぎ。沢山頂いたみかんでビタミン補給。有り難いです。


みかん

落語に「千両蜜柑」という演目があります。
ある大店の若旦那が急に患って日に日に衰弱していく。医者は、これは気の病で想いが叶えば必ず全快すると見立てます。父親は番頭にその原因を聞き出すよう命令し、番頭は若旦那の気の煩いの原因が恋煩いなどではなく「蜜柑が食べたい事」なのをやっと聞き出します。なーんだそんな事だったんですか、と直ぐに蜜柑を持って来ると約束してしまう番頭さん。しかしながら季節は八月、夏真っ盛り。蜜柑などあろうはずもありません。番頭は必死で探し回ります。すると蔵いっぱいに蜜柑の木箱が積み上げられている問屋に行き当たります。あー助かったと木箱を開けてもらうと、蜜柑はことごとく夏の暑さで腐っています。
全ての木箱を開けてみるとたった一つだけ腐らずに残っていた蜜柑が見つかります。値を聞くと千両だという。父親は息子の命が千両なら安い買い物だとその蜜柑を息子に与えます。番頭は蜜柑を剥いてあげます。蜜柑は丁度十袋ありました。

この辺りで蜜柑を食べる落語家は、若旦那が房を取り分けてひとつづつ口に入れて中身をチュっと口に含む芝居を実に美味しそうに幸せそうに演じるのですが、そうなんですね、昔の蜜柑て袋がしっかりとしていて、中身を吸って出して食べて、袋は食べなかったんですね。昔の蜜柑は皮も袋もスジもしっかりしていました。今のみかんは柔らかくて袋ごと食べられます。
でも「千両蜜柑」の蜜柑は昔の蜜柑です。幾度も幾度も袋をチュッチュッと啜るのです。聴いていると思わず唾が出てくるシーンです。

さて、若旦那は十袋の最後の三つを両親と番頭の為に残して上げます。貰った番頭は、「こりゃあ一袋百両、三つで三百両だ」と「三百両」を持って逃げちゃうっていうのがオチなんですよ。

そういえば夏だって美味しい蜜柑は沢山ありますね。林檎だって今年の夏はニュージーランド産の「ふじ」を食べましたよ。「JAZZ」って銘が付いていました。思いの外美味しかったです。食べ物の季節感がどんどん変わっていきますね。


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