甲子園ホール
「壮太郎、おはよう」とイジー役の坂井亜由美が、演出翻訳・田中壮太郎さんにあいさつします。
彼女が失礼とかじゃなく、これも劇団昴公演『ラビットホール』幕開けをめざす為の、アプローチの1つです。

壮太郎さんは今回の座組みで、「甲子園をめざす」と言っています。
野球の話ではなく、この舞台の、方針の事です。
高校野球のような、舞台(?)
“ザ・プロ”みたいな舞台ではなく、“ザ演技力”がすごいでもなく。
その場で、その時にしか見ることができないたぐいのものです。
驚くほどのほんとうが起こる(かも知れない)ものです。

僕は壮太郎さんが言っていることに賛同します。
また聞きの話ですが、かつて昴に在籍されていた内田稔さんが、「われわれは、永遠のアマチュアなんですよ」と仰っていたそうです。
その話は5年くらい前に聞いて、その時は僕はよく理解できませんでした。
劇団昴はプロの集団ではないのか?と。
しかしながら、今なら、理解できるようになりました自分なりに。

ですから僕も、一から蘇るかんじで、甲子園のような舞台『ラビットホール』を目指そうとおもいます。
(ちなみに『ラビットホール』には、ボールもバットもアンパイアも出てきません。)



稽古はまだ読み合わせの段階です。
稽古を一日使って、お勉強会もしました。
『ラビットホール』に出てくるカタカナ単語や、物語の舞台となる街の風景・規模などを、写真と動画を見て、お勉強です。
演出助手の小野耀大さんが膨大な資料を用意してくださいました。
小野さんはパソコンとスマホを駆使して、あっという間にキャストの疑問点を調べてくださいます。圧巻です。

海外で上演された『ラビットホール』の映像もちょっと見ました。
さまざまなバージョンの『ラビットホール』があり、
僕の演じるジェイソンという少年にも、さまざまなバージョンがありました。

壮太郎さんは、そうしたバージョンに「勝てる」舞台をいまつくっていますと言いました。
僕は「そ、そうなのかなぁ…⁉︎」とちょっとひるみましたが、彼がそういうのならきっとそうだと信じて、稽古に励んでゆきます。

10月28日〜11月13日まで、板橋区のPit昴(サイスタジオ大山)で上演です。
ぜひお楽しみにしていて下さい…!

町屋圭祐
| 稽古場日記::ラビット・ホール | 22:12 | comments (x) | trackback (x) |

  
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