2014,10,03, Friday
九演連、会員の皆様 はじめまして、劇団昴の小沢寿美恵と申します。
このたび「親の顔が見たい」の九州巡演を実現させて頂きましたこと、大変有り難く、心より感謝申し上げております。
歴史ある九演連の皆様方と、私、俳優として このような稀有な機会を頂き、お目にかかれることができ、又、親しく交流が実現できることを大変うれしく、胸おどらせて参りました。
巡演中、各劇場において何かとお世話になることと存じますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
過日、この『親の顔が見たい』初演から100回目を迎えました折り、"この芝居は生きつづけている"と仲間と喜びあったところです。
「いじめ」の現実をテーマにした芝居は重いと思います。でも、この難しい問題を芝居の舞台から発信する事で少しでも 解決の糸口になればと願っています。
それは、ある地方公演の折りでした。
その日の舞台は昼の部で終わり、帰り道は、その街を走っている路面電車に乗って 昼下がりの景色を眺めながら、ひとときを楽しむつもりでした。
早速電車に乗ってみると丁度、下校時の小学生が両側の席を全部陣取っていました。色とりどりのランドセルを背負った二年生位の女の子ばかりで、楽しそうにお喋りしながらそれは賑やかでした。
この可愛らしい少女達の間に、二人のおばさんが窮屈そうに腰掛けていて、何やらしきりに文句を言っているように見えました。
この二人のおばさんの前に、小学四年生位の男の子が背を向けて立っていました。
ランドセルを背負って両手に勉強道具を握りしめたまま顔を赤くして何か我慢しているようで、先程から文句を言っていた二人のおばさんは、この少年を叱りつけていたらしいのです。
すると突然、二人のおばさんはこの少年に怒声を浴びせかけました。
びっくりした少女達は急に静かになって不安気に少年を見つめています。
少年は足を踏ん張って唇を噛み涙をこらえているのです―― いったい何が起こっていたのか分からないのですが―― この二人のおばさんの言葉もよく解らないまま、私は見ていました。
二人のおばさんはますます感情をむき出しにして、この少年は罵声を浴びています。
電車の中は異常な空気につつまれました。
やがて停留所で電車が留まると、二人のおばさんは席を立ちながら、目の前に立っている少年を小突いて ブツブツ云いながら降りようとした――その時、少年は降り口まで飛んでゆき叫んだのです「殺してやる!」と。
二人のおばさんは振り向きざま怒鳴り、去ってゆきました。
驚いた車掌さんは電車を一時止めて、少年に訊きました「何があったのか話してごらん」と。
少年は黙ったまま、じっと涙をこらえていました。
電車が次の停留所で留まると、少年は降りてゆきました。
泣きながら走ってゆく後ろ姿。
あの悲痛な叫び声を思い出すたびに、あの時の出来事が少年の心の傷にならないよう願うばかりです。
私達がこの日、公演していた芝居は「親の顔が見たい」でした。
小沢寿美恵
================
ここからは姉崎です。
今回の九州巡演はもちろん、劇団昴において最年長の女優である小沢さんと、今年も共演する事が出来たのは本当に嬉しい、そして幸せな事です。
きっとお疲れのときもあるのでしょうが、私達と変わりのないスケジュールを常に元気にこなしていらっしゃいます。
それにしても 路面電車の中でいったい少年に何があったのでしょう… 事情はわからなくても「殺してやる!」の言葉はショックですよね…
私も『親の顔…』に携わるようになってから 普段の生活でも、芝居の中の子供達と同じ年頃の子供に以前より目が向くようになりました。
子供を育てるのは親と、周りの大人達です。電車を止めてまで声を掛けた車掌さんの言葉を、その少年が覚えていてくれたらなと思います。
そして熊本市での2ステージ目。
東京から演出の黒岩さんが来熊!(来熊でいいのかな?)
北九州の初日以来、約半月ぶりです。
待ってました!とばかりに、迷っていた事、悩んでいた事を私も聞く事が出来ました。
意外と珍しい小沢、黒岩のツーショット!!
北九州初日に、九州にきたとき、お家で待っているご家族にお土産にした、くまモングッズ。
だめでしょう!
やはり、くまモンは、本場・熊本市で買わなくては~!(笑)
ニコニコと「それでは皆さん、お身体に気をつけて…」と、風のように去って行きました。
東京では11月本公演『ラインの監視』の稽古が始まり、ブログも二本立てになりました。
『旅ブログクイズ』は 明日あたり…いや今日あたり、次の文字が出てくるらしい…
このたび「親の顔が見たい」の九州巡演を実現させて頂きましたこと、大変有り難く、心より感謝申し上げております。
歴史ある九演連の皆様方と、私、俳優として このような稀有な機会を頂き、お目にかかれることができ、又、親しく交流が実現できることを大変うれしく、胸おどらせて参りました。
巡演中、各劇場において何かとお世話になることと存じますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
過日、この『親の顔が見たい』初演から100回目を迎えました折り、"この芝居は生きつづけている"と仲間と喜びあったところです。
「いじめ」の現実をテーマにした芝居は重いと思います。でも、この難しい問題を芝居の舞台から発信する事で少しでも 解決の糸口になればと願っています。
それは、ある地方公演の折りでした。
その日の舞台は昼の部で終わり、帰り道は、その街を走っている路面電車に乗って 昼下がりの景色を眺めながら、ひとときを楽しむつもりでした。
早速電車に乗ってみると丁度、下校時の小学生が両側の席を全部陣取っていました。色とりどりのランドセルを背負った二年生位の女の子ばかりで、楽しそうにお喋りしながらそれは賑やかでした。
この可愛らしい少女達の間に、二人のおばさんが窮屈そうに腰掛けていて、何やらしきりに文句を言っているように見えました。
この二人のおばさんの前に、小学四年生位の男の子が背を向けて立っていました。
ランドセルを背負って両手に勉強道具を握りしめたまま顔を赤くして何か我慢しているようで、先程から文句を言っていた二人のおばさんは、この少年を叱りつけていたらしいのです。
すると突然、二人のおばさんはこの少年に怒声を浴びせかけました。
びっくりした少女達は急に静かになって不安気に少年を見つめています。
少年は足を踏ん張って唇を噛み涙をこらえているのです―― いったい何が起こっていたのか分からないのですが―― この二人のおばさんの言葉もよく解らないまま、私は見ていました。
二人のおばさんはますます感情をむき出しにして、この少年は罵声を浴びています。
電車の中は異常な空気につつまれました。
やがて停留所で電車が留まると、二人のおばさんは席を立ちながら、目の前に立っている少年を小突いて ブツブツ云いながら降りようとした――その時、少年は降り口まで飛んでゆき叫んだのです「殺してやる!」と。
二人のおばさんは振り向きざま怒鳴り、去ってゆきました。
驚いた車掌さんは電車を一時止めて、少年に訊きました「何があったのか話してごらん」と。
少年は黙ったまま、じっと涙をこらえていました。
電車が次の停留所で留まると、少年は降りてゆきました。
泣きながら走ってゆく後ろ姿。
あの悲痛な叫び声を思い出すたびに、あの時の出来事が少年の心の傷にならないよう願うばかりです。
私達がこの日、公演していた芝居は「親の顔が見たい」でした。
小沢寿美恵
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ここからは姉崎です。
今回の九州巡演はもちろん、劇団昴において最年長の女優である小沢さんと、今年も共演する事が出来たのは本当に嬉しい、そして幸せな事です。
きっとお疲れのときもあるのでしょうが、私達と変わりのないスケジュールを常に元気にこなしていらっしゃいます。
それにしても 路面電車の中でいったい少年に何があったのでしょう… 事情はわからなくても「殺してやる!」の言葉はショックですよね…
私も『親の顔…』に携わるようになってから 普段の生活でも、芝居の中の子供達と同じ年頃の子供に以前より目が向くようになりました。
子供を育てるのは親と、周りの大人達です。電車を止めてまで声を掛けた車掌さんの言葉を、その少年が覚えていてくれたらなと思います。
そして熊本市での2ステージ目。
東京から演出の黒岩さんが来熊!(来熊でいいのかな?)
北九州の初日以来、約半月ぶりです。
待ってました!とばかりに、迷っていた事、悩んでいた事を私も聞く事が出来ました。
意外と珍しい小沢、黒岩のツーショット!!
北九州初日に、九州にきたとき、お家で待っているご家族にお土産にした、くまモングッズ。
だめでしょう!
やはり、くまモンは、本場・熊本市で買わなくては~!(笑)
ニコニコと「それでは皆さん、お身体に気をつけて…」と、風のように去って行きました。
東京では11月本公演『ラインの監視』の稽古が始まり、ブログも二本立てになりました。
『旅ブログクイズ』は 明日あたり…いや今日あたり、次の文字が出てくるらしい…
| 地方公演::親の顔が見たい | 09:53 | comments (x) | trackback (x) |
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