祝初日!&舞台を彩る小道具の世界
本日のブログ担当、劇団員二年目の宮崎貴宜です。宜しくお願いいたします!

いよいよ本日10/6、「イェルマ」初日を迎えました!
この日を迎えられたこと、満席のお客様に観ていただけたこと、本当に感謝の気持ちしかありません
しかし、まだ旅の途中です
ここからさらに気を引き締めて座員一同千秋楽まで全力を尽くして参ります


僕は今回「オス」を演じます
比喩でもなんでもなく「オス」という役です
作中の儀式で男を象徴し、皆を先導する存在として暴れまわります

オスという一言の中に男の欲望や本能、生命力が詰まっている濃密な役で、そこをどれだけダイナミックに皆様へお届けできるか稽古を通して奮闘しております!

さて、出演者、作者のロルカやスペインのことについては他の方が紹介してくださいました(是非過去のブログもご覧ください!)

ですから、僕は自分の担当でもある劇を彩る小道具に焦点を当ててみたいと思います!



小道具とは一般的に、コップや杖など手で持ち運べるモノを差します。
逆にタンスや暖炉のような移動が難しいモノは大道具と呼ばれます。

劇団に入ったばかりの頃先輩からは「小道具にも芝居をさせろ」と教わりました

例えば汚れ具合一つでも、それがどれくらいの期間使われているものなのか、日常的に使っているものなのか、それを使っている役の経済状況や生活水準はどうなのか...などなど
お客様が受けとる役の印象や背景に多大な影響を与えてしまうのです

いやはや責任重大ですね...
では今回、そんな大事な小道具を取り仕切っているリーダーを紹介しましょう!



劇団員一年目の洲本大輔くんです
今回の舞台で初めての小道具チーフを務めています

演出家との相談や舞台本番までに小道具を揃えるための段取りなどを仕切ってくれています
彼がいなければパントマイムでお芝居をしなければならないかも...

そして、彼にはもう一つの顔があります
それは...



小道具職人! 
ここは、洲本君が小道具を作成するための工房です

小道具を集めるためには購入したり、借りたりなど様々な手段がありますが、入手が難しかったり、余りにコストがかかる場合は自分達で作成します

例えば「イェルマ」ではとあるシーンで【牛の角】、【羊の角】が登場するのですが、Amazonでも売っていません!
となると作ることになりますが、皆さんどうやったら良いと思いますか?
特別に製作課程をちょっとだけお見せしましょう

材料はこれを使います



洲本チーフが紹介しているこの青い物質。これは「スタイロフォーム」と呼ばれる断熱材です
固めの発泡スチロールのようなもので、実は今回の舞台上にある岩なんかもこれで作ってます!
そのあまりを回収して、削り出したものがこちら...





だいぶ形が見えてきたと思います
ここから完成形もご紹介したいところなのですが...ネタバレになってしまうので、是非舞台上でご確認いただければ!
特に羊の角は洲本工房の最高傑作になってます、探してみてください

それでは劇場でお会いできることを楽しみにしております
その際は是非小道具にも注目してみてくださいね!

宮崎貴宜
| 稽古場日記::ザ・サード・ステージ『イェルマ』 | 23:03 | comments (x) | trackback (x) |
色んな愛
新準劇団員の賀原美空(がはらみく)です。
2回目のブログ投稿になります!


さて、私演じる洗濯女達は、歌中で

夫への愛、性愛、子供への愛

について語っています。
全て同じ「愛」ですが、色も形もまったく違うものになっています。
私は全て「愛」と表現しましたが、もしかすると違う言葉の方が合う人もいるかも知れません。

人によって体現の仕方が様々な「愛」

夫への愛は、シャツをいつも綺麗にしておくとか、いつも温かいご飯が食べれるように準備しておくとか、そんなことで体現してみたり…、
子供への愛は叱ることだったり、褒めることだったり…、
性愛はとにかく情熱的に本能的に…、

とか色々考えみますが、きっと人によって全く違う答えが出てくるのが「愛」。
人によって解釈が全く違うので、「愛」を伝えてるつもりが全く別のものとして相手に受け取られてしまったり、自分も人からの「愛」をうまく受け取れていなかったり、そんなことが沢山あるのではと思います。

今回、お話の主軸であるイェルマ、フアン夫婦にもそういうところがあるかもしれません。

そこで、私は普段、色んな「愛」を見逃してしまっているのではないかと思い、身近な人が持っている「愛」とはどんなものなのか、考えてみました。
そこで思い浮かんだのが、洗濯女として一緒にお芝居させていただいている、奥原さんと大矢さん





(左から賀原、大矢朋子さん、奥原千加さん)

洗濯女としてはカースト上位なお二方ですが、普段は若手にもとても気さくに話しかけてくださります。
若手のみが参加する舞台の作業日には、毎度カップ麺などを買ってきてくださり、その「愛」にお腹も心も満たしていただいております。

奥原さんは稽古が始まる前から私が担っていた宣伝活動の手助けをしていただいたり、昨日も若手の搬入作業にサラッと紛れて、奥原さん自身より大きそうな荷物を運んでくださったり、何か大変な時に必ず助け舟を出してくださります。

大矢さんは「お腹が空いてる子は見てられない…!」というお言葉を聞いた時から、聖母様だと勝手に思っています。
通し稽古の前にチョコレートを配ってくださったり、今日も稽古後にピーナッツチョコをいただきました。
一年目で何かと不慣れな私に、いつも的確なアドバイスをくださります。

お二人だけでなく、色んな「愛」に溢れた先輩方に囲まれ、とても恵まれた環境で劇団員としての初舞台を迎えさせていただくことができました。
語り出すとキリがないので、次にブログを書ける機会が来たら、その時に…!

明日10/6は初日!!
臆せず、スペインの情熱をお届けします。
| 稽古場日記::ザ・サード・ステージ『イェルマ』 | 00:17 | comments (x) | trackback (x) |

  
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