いいせんいってるんだけどなあ~(ほしの せん)
芝居は「ルカー」の如く落ち着く所を持たない方が良い。

躍動感を失うことなく、常に流動的でありたい。

演出家には嫌がられそうだが、よくそんなことを思う。



今回の「どん底」の立ち稽古初日は目を見張るものがあった。

台詞の多い役どころも、そうでない人も、驚くほどの台詞の入れようなのである。

「これは、早い仕上がりになるに相違ない」…そう思ったのも束の間。

そうは簡単に問屋が卸さない。

葛藤すること数週間。

気が付けば、本番まで一週間。



あとは細かい修正を重ねれば大丈夫!



初日のカーテンコールは、割れんばかりの拍手喝采請け合い。

まだ迷っている方、見逃したら後悔しますぞ!



| 稽古場日記::どん底 | 20:55 | comments (x) | trackback (x) |
余談
ブログは怖い。

過去に本番中、作成を考えていて「出トチリ」しそうになった。
フッと、上手い文章が浮かんだ― すると次は面白い言葉で結ぶ―その次は――と追想する。
ア。気づくと出番。ハッとする。ヒヤリ。

―何も本番中でなくても。


又ある時、あれやこれや考え、気づくと全消去してしまい、もう一度始めから、やり直し。

チェッ。

―それは慣れさ~。

こう苦労するのは
才能が無いのか習慣が無いからなのか様々な想念が浮かんでは消える。
そして今回は、ウム稽古中だ。安心する。オヤ、それがこの駄文か。

あ~あブログは怖い。



金房求
| 稽古場日記::どん底 | 23:47 | comments (x) | trackback (x) |
クヴァシニャー
今日の担当は要田禎子です。
「クヴァシニャー」という一度聞いただけでは人の名とも地名とも食べ物ともわからない役名の、「肉饅頭を売る女」を演じます。どん底に暮らす住人の一人で「肉饅頭」を売って生活している女です。

『どん底』は、とてもとてもロシア的なお話だと思うのですが、はて、私の中でロシア的とはどんなことなのでしょうか?そもそも私とロシアの最初の出会いから考えてみました。
私にとって最初のロシアは、幼稚園の頃、バレエの発表会のプロコフィエフ作曲「ピーターとオオカミ」です。村娘①(③だったかな?)を踊りました。覚えているのは膝を抱えて座って時々両頬に手を当てて顔を振る振り付けと、可愛いアップリケのツギが当った衣装のスカート。オオカミ役のお姉さんが黒いマントを翻してえらくカッコ良かった事。そして何より爽やかで楽しい音楽。
そうか!私のロシアはプロコフィエフなのだ!←ってちょっと無理やりですが、ソンなことでひとつ許してください。
以前から私には繰り返し繰り返し毎日のように聴いて、とり付かれた様に夢中になっている曲があります。それは「ピアノ協奏曲第3番」。
とてつもなくカッコいい曲です。興奮します。400メートルを疾走したようなアドレナリン大放出な感じ。しかもえらく懐かしいような親しみも。それもそのはず、ロンドのパッセージは「越後獅子」の影響を受けてるそうですよ。プロコフィエフは1918年に偶然来日した時には演奏会まで開き、京都や奈良を訪ね、日本の音楽にも沢山触れたそうです。
マルタ・アルゲリッチの演奏が一番好き。1977年の若き日のアルゲリッチの演奏を聴いてください。大興奮します。
| 稽古場日記::どん底 | 15:22 | comments (x) | trackback (x) |
本日は録音
稽古もそろそろ佳境、通し稽古が始まります。何が見えてくるか楽しみです~。

本日は録音でした!

裏付きの新人たちも参加して、わいわいガヤガヤ…

録音


サーチン・金子
| 稽古場日記::どん底 | 09:26 | comments (x) | trackback (x) |
ロシア
セミがミンミン大合唱していた頃に始まった『どん底』のお稽古。秋の気配と同時進行で、確実に初日が近付いて来ます。
今回のブログは私、アンナ・大坂が担当致します。

明治時代に新劇というジャンルが誕生してから様々な劇団が繰り返し上演してきた「THE 新劇」と言っても過言ではないであろう『どん底』。プロダクションの士気も自然と上がります。

『どん底』はロシア人のマキシム・ゴーリキィが1902年に著した戯曲。同年にモスクワ芸術座が初演。しかしこれは検閲で削除されたテキストによるものだったそうです。

この頃のロシアはロマノフ王朝最後の皇帝となるニコライ2世の治世。
『どん底』初演の2年後1904年に日露戦争、1905年には血の日曜日事件が起こり第一次ロシア革命が勃発。
そんな政情不安なロシアにおいてゴーリキィの思い描いた完全な形で『どん底』という作品を上演出来なかったのは当然の事かもしれません。

その後ロシアは第一次世界大戦に参戦、大戦中の1917年に二月革命・十月革命を経て、1922年にソビエト社会主義共和国連邦が成立します。
『どん底』の完全上演は初演から約四半世紀経った1928年の事だそうです。

史上初の社会主義革命を達成、神を否定した国家で上演された『どん底』がどの様な視点で演出されたのか。うーん、実に興味深いです…。

おやおや、気が付けば何やら年号多発のお堅いブログに…(・・;)
ええ、そうなのです。既にお分かりかとは思いますが実は私、大のロシア好き!
中でもロシア史におけるロシア革命のくだりが大好物でございまして!一旦語りだすとまぁ、止まらない止まらない(笑)

きっかけはこちらの漫画♪

大坂さんロシア

「新劇人のくせにチェーホフじゃないんかいっ!?」というツッコミが聞こえてくるかのよう(笑)

しかし絵を見てピンときた方も多いはず。そうです、『ベルサイユのばら』で有名な池田理代子先生の作品です。

高校時代にこの『オルフェウスの窓』を読み耽り、登場人物の足どりと各国の情勢を年表に起こし、文化・地理等を調べているうちに、すっかり魅力に取り付かれてしまったというワケなのです。

ああ、憧れのロシア…。
しかし未だその地を踏むこと叶わず。

旅立つ目処はいつまでたっても立たないので、せめてラフマニノフを流しジャムを舐めて紅茶を味わい、遥かなる白き大地に思いを馳せる事に致しょう♪

妄想って大事!(* ̄ー ̄)

           大坂史子
| 稽古場日記::どん底 | 09:27 | comments (x) | trackback (x) |
人生いろいろ
島倉千代子の唄の文句ではないけれど、今回 名作「どん底」を上演するにあたり、演出家から課せられたテーマが、登場人物それぞれの人生が見えてくるような舞台にしたい とのこと。
でもこれは役を作る上で、とくに舞台では毎回思うことである。
しかしながら稽古が進むにつれ私のような凡才には、その役のありよう・役割等をあれこれしているうちに忘れがちになる。
でも、ほんのたまに、観劇くださった方に、役の人物の人生が垣間見えて良かった!なんて言われると、あら?そう?と軽く受け流すものの、実はガッツポーズをしたくなるほど嬉しいものです。
とは言え、ドラえもんのポッケじゃあるまいし、出そうと思って出せるものではありません。稽古もハーフターンをして、各々が役に没頭し、未だに奮闘努力の毎日です。
いろんな人々の、いろんな人生が垣間見える素敵な舞台に仕上がるのを夢見て・・・


写真は奮闘努力の末? 汗だくになったシャツの着替えを盗撮?されたもの


北川さん盗撮?!


嗚呼 人生 洗濯の山あり 腹あり ルかー( 北川勝博)

| 稽古場日記::どん底 | 11:51 | comments (x) | trackback (x) |
本番と同じ目線で…
こんにちは
メドヴェージェフ役の鳥畑です。
頭がでかすぎて入る帽子がまずない、という、大変迷惑な役者なわけですが、どういうわけか被り物のある役の多いわたくしでして。
今回も例にもれず巡査役です。はい。

まあそれはそれとして…

Pit昴、ここは、16年前に外部公演に出演した際に稽古場として使用していたので、通っていました。それが今、まさか自分達の拠点になろうとは…。当時は想像もしていなかたわけでして。
なにやら感慨深かったりします。

さてさて、稽古が始まってから3週間。いやはやなんとまあ時の経つことの早さよ…です。
ギアがまたぐんっとあがった感じで、稽古場の空気が変わったようなきがします。


稽古場は現在、舞台と客席は本番と同様に組んでまして。
今までの場合、稽古を見てる時は狭かったり、居場所探したり、なんてことがあったのですが、今は本番目線で居られるという。
これがなかなか良いのです。
いろんなことが見えてくるし聞こえてくる。自分のこともみんなのことも。
あまり今までの稽古では経験できなかったことかな、と思いつつ、日々稽古にのぞんでおります。

というわけで、戯曲に散りばめられています胸に刺さることばの数々。
地下一階の木賃宿から皆様にお届けすることができたら、と願っております。

お待ちしてます!
鳥畑でした
| 稽古場日記::どん底 | 06:26 | comments (x) | trackback (x) |
『七色いんこ』再び。。
昴ブログをご愛読の皆様、まいど駄文にお付き合いいただき有り難うございます、クレーシチ役の永井誠です。

こちらへの寄稿は4月の『ヴェニスの商人』以来。なのですが…

4/3付当欄に、
「手塚治虫の『ブラック・ジャック』に感化されてその道に進んだお医者さんがいるように、僕は同氏の『七色いんこ』を読んで役者になりました。」
…と、嘘とも真ともつかぬことを書きましたところ、

「手塚マンガは好きだがそんな作品知らん!」との声がチラホラ聞こえて参りました。

でしょうねえ…あまり売れた作品ではありません。なにせ題材が“舞台演劇”ですから…地味な事この上なし。

この際、内容をざっくり説明しますと…

「孤独で人嫌いだが、いざ舞台に立てば天才的な名優“七色いんこ”が、古今東西の有名戯曲をモチーフにした一話完結のストーリーの中で毎回大活躍!」…
まさに『舞台俳優版ブラックジャック』みたいな作品だったのですが…二匹目のどじょうは居なかったということでしょうか、もしくはネタが尽きたのか…わずか50回ほどの連載であっけなく終了したのでした。。


何故またそんな話を持ち出すかと言えばですねぇ…

実はあるのですよ!その50回の中に、
『どん底』の回が!

この度、ホコリを払って久しぶりに読み返してみました。
少年チャンピオンコミックス第1巻第2話、タイトルもまんま『どん底』。

…が、
元の話と全然ちがぁう!
いわんや今回僕の演じるクレーシチは登場すらせず。何の参考にもなりゃしない!

…まぁね、元の戯曲はあくまでモチーフとしてなわけで。
『ブラックジャック』をいかに熟読しようと病気が治せるようになるわけじゃなし。

ま、それはそれとして…

子供の頃に夢中になった本(マンガでも)を、改めて読むのは心地よいものです。ページをめくるたびに、忘れていたストーリーはもとより紙の質感や匂いまでもが、懐かしい思い出を呼び起こします。マンガとお相撲と鉄道模型が好きな、内気でノンキな少年だった頃の。

「舞台俳優にとって最も重要な財産は、容姿でも利発さでもない。“思い出”である。」と、かつて指導を仰いだロシア人演出家に教えられた事が、最近になってようやく、おぼろげながらも実感できるようになってきました。

折しもロシア戯曲の代表作。
劇団にとっても歴史ある思い出深い作品。

思い出を総動員して臨みます。ご期待ください!

クレーシチとアンナ


妻アンナ役の“おーちゃん”こと大坂史子嬢と。
ただし舞台上では夫婦に笑顔は一切無し…なにせ『どん底』ですから。。
| 稽古場日記::どん底 | 23:31 | comments (x) | trackback (x) |
美味しい梨と共に
「どん底」は、4幕構成の芝居です。
今日は、3幕4幕の立ち稽古でした。

劇団というところには、芝居をする際の共通言語のようなものがあり、あうんの呼吸といいますか、共通認識があるので、信頼のもと稽古が出来、心地よい感じがあります。これがそれぞれの劇団のカラー、というものでしょう。

木賃宿でどん底の暮らしをしている登場人物達は、それぞれに皆人間臭く、どの役にも共感をおぼえます。
呑んでるシーンなんかも出てきますが、
聞くところによると、ロシアの人達は元々少量のツマミのもとウォッカを呑み、もうツマミが無くなってしまっても、相手の服の匂いを嗅いで、その匂いをツマミにしてウォッカを呑み続けるそうです。豪快ですねー。
一度モスクワで舞台観劇をしたとき、舞台上に流れる川があり、そこで男女のカップルがヌードになって抱き合うと、客席がスタンディングオベーションの渦となり、拍手大喝采でした。ほんとロシアは豪快ですねー。

今日は劇団員の高山さんから梨の差し入れがあり、私も一切れいただきました。
高山さん、ありがとうございました!
とっても美味でしたー。

あー、稽古場の写真、何か一枚撮ろうと思っていたのに、すっかり忘れてしまいましたー、ゴメンなさい!

今日はナースチャ役米倉紀之子でしたー。
今後先輩達のブログ記載が続きまーす。
どうぞお楽しみにー。


米倉紀之子
| 稽古場日記::どん底 | 23:19 | comments (x) | trackback (x) |
一ヶ月すぎました
えー、初日一ヶ月すぎましたね〜


普段「おしとやか」なわたくし市川奈央子(反論は受け付けません(* ̄∇ ̄*))が演じますのは、『くそばばあ』『性悪女』『毒蛇』と男性陣から非難ごうごうの「ワシリーサ」。

まあ、確かに稽古場以外でも芝居の事を考えているとき、気がつくと目付きがかなり悪くなっているのは、否定いたしませんが…( ̄ヘ ̄メ)
ホントは…、たぶん…、いや、きっと…、良い人です。


さてさて、先週全ての場の「粗立ち」が終了し、昨日から細かく作り上げていく稽古が始まります!

「どん底」は、私が小学校3年生位の時に他劇団のものを観劇しました。
…、いや、全くわかりませんでした。
暗いし、おじさんばっかりだし、言ってる事は難しいし…。

しかし、今、自分が配役され、稽古に携わり、先輩方の芝居を拝見していると、「あれ?どん底ってスゴい…。深い。面白い…。」と…。

私が歳を重ねたことで理解が出来る、と言うことももちろんですが、『人間が生きる』と言う、簡単そうで、困難な問題を登場人物1人ひとりにいろいろな方向で語らせているんですね。

さて、「悪女ワシリーサ」は、どういう風に劇団昴のどん底で「生きる」のか、悩みながら、稽古場へ行くと、何やら不思議な光景が目に入りました!

な、何と!



演出家自ら小道具を製作されているでは
ないですか!!
しかも、縄をなっているじゃな いですか!そして、手際よく、綺麗な縄を…。

村田さん縄編み

あっと言う間に編み終わりました…。
テレビとかでは見たことのある光景ですが、まさかこんな間近で見れるとは…

村田さん縄編み2

私も、あの縄のように素直な気持ちで、真っ直ぐに『ワシリーサ』と向かい合い、必死に生きて行こうとする彼女を舞台で生かせるように稽古に臨んで参ります!

市川奈央子

| 稽古場日記::どん底 | 00:20 | comments (x) | trackback (x) |

  
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