こうして家族になっていきます
『ラビットホール』のブログにおいでくださりありがとうございます。
ナット役の要田禎子(ようださちこ)です。

『ラビットホール』は出演者が5人という少ない人数のお芝居で、その内4人は家族関係にあります。
ひとつの芝居を稽古していると出演者の間には何ともいえない「親しみ」が生まれます。それは日々お互いの才能のあるところ、ダメなところ、恥ずかしいところ、ともかく良いとこも悪いところも色々なところが稽古を通じて直接肌感覚で感じられるからでしょう。恋人役や親子役だと尚更なんです。
演劇でない他のお仕事でもそうかもしれませんが、同僚に感じるその「親しみ」は日常生活を共にする家族とはまた違う近しさを持って私達にエネルギーを与えてくれます。

『ラビットホール』のチームには演出家やスタッフも含め濃厚な関係が出来上がりつつありますハートハートハート
演出家は言います「この場面、貴方だったらどうなるの?それが見たいんです。素のままの貴方でいてください」。

『ラビットホール』の出演者は5人といいました。でももう一人、亡くなった男の子ダニー君が居ます。実際の出演者5人は皆ダニー君に強く強く結びついています。6番目の出演者ですね。


濃厚な舞台になるように頑張ります。是非ご期待ください。
| 稽古場日記::ラビット・ホール | 19:07 | comments (x) | trackback (x) |
大切な準備
『ラビット・ホール』ハウイー役の岩田翼です

稽古が始まって20日ほど経ちましたが、僕、今、追い詰められています

今回の芝居はいつもと作り方がちょっと違います。詳細は控えますが、稽古が始まる前の準備が重要です。かなり時間と精神力を要する準備です

今回ナット役の要田さん、ジェイソン役の町屋君、イジー役の坂井さんは2019年の公演『8月のオーセージ』で田中壮太郎さんの演出を経験しているので、しっかりと準備を進めていましたし、初参加の僕とあんどうさんも準備について言われていたはずなのですが、僕はちょっと勘違いしていて、通常の芝居と同じ準備だけして、今回の特殊な準備を全くしないまま稽古に突入してしまったのです

何かおかしいなと思いながら稽古に参加していて、勘違いに気づいたのが1週間ちょっと前。およそ3週間はかかると言われている準備です。それを稽古と平行しながら進めていかなければなりません

ヤヴァイです。必死です
ですが何とか追いつきます



この2枚の紙が準備に必要な大事なアイテムです。ウサギちゃんはネタバレ防止に中身を隠しているだけで、準備とは関係ありません

本番まであと20日ちょっとですが、だんだんと光明が見えてきました。そしてこの準備が稽古とともに、ある完成を見れば本番ですごいことが起こりそうです。是非お楽しみに

というわけでいつもブログがかなり長文な僕ですが、今回はここまで。また必死に準備と稽古に戻ります

劇場でお待ちしております
| 稽古場日記::ラビット・ホール | 00:07 | comments (x) | trackback (x) |
チーム戦ってなんであんなに盛り上がるんだろ。
ブログを見に来てくださって、ありがとうございます!
『ラビットホール』稽古中、ベッカ役あんどうさくらです。

『アルジャーノンに花束を』の四国巡演を終え間も無く始まった『ラビットホール』の稽古ですが、もう二週間が経ちました…!
6月、8月の先行稽古からじっくり時間をかけてきた今稽古は、先日から立ち稽古に入りました。

田中さんの演出は、ご本人が俳優ということもあり各々のシーンのつかみ方や相手役との向き合い方を体感をもって話してくださるのでとても刺激的で面白い!
それぞれがどうやったら理解できるかを探っていただいてるのがわかり、己の未熟さに葛藤しながらも安心して身を任せております。
そして緊張感がある中でも自然体でいられる環境をつくってくださり、いつもと違う感覚で立ち稽古に入ったような実感が。

稽古前にはアップとしてゲームを取り入れているのですが、もちろんただのゲームではなく。



今はこちら!ジェスチャーゲーム!
チームを組んでお題をひき、ジェスチャーのみでお題を伝え、チームメイトが解答をします。
そして解答時間を競うチーム戦!
1秒1ポイント制で、2分を超えるとタイムアウト。ペナルティとして150ポイント加算されます。

これは、相手に伝えることはもちろん『答えさせる』という力を磨き、答える側も相手がどういうことを伝えたいかを受け取る力、想像力も必要になってきます。

学生の時は難なくできたように思ってましたが、これがまた難しい〜!
ただ回を増すごとにコツを掴んで、初回はタイムアウトばかりで悲惨だった数字も、みれるものになってきました(笑)
犬チームの3秒とかどうなってるの???

さて、稽古前には歓喜の声と悲鳴とが入り混じり賑やかなラビットホールの稽古場。
先日チケットの前売りが開始されました!
今回はポストトークショーの復活も予定しております。
皆様のご来場、お待ちしております!

あんどうさくら
| 稽古場日記::ラビット・ホール | 14:40 | comments (x) | trackback (x) |
甲子園ホール
「壮太郎、おはよう」とイジー役の坂井亜由美が、演出翻訳・田中壮太郎さんにあいさつします。
彼女が失礼とかじゃなく、これも劇団昴公演『ラビットホール』幕開けをめざす為の、アプローチの1つです。

壮太郎さんは今回の座組みで、「甲子園をめざす」と言っています。
野球の話ではなく、この舞台の、方針の事です。
高校野球のような、舞台(?)
“ザ・プロ”みたいな舞台ではなく、“ザ演技力”がすごいでもなく。
その場で、その時にしか見ることができないたぐいのものです。
驚くほどのほんとうが起こる(かも知れない)ものです。

僕は壮太郎さんが言っていることに賛同します。
また聞きの話ですが、かつて昴に在籍されていた内田稔さんが、「われわれは、永遠のアマチュアなんですよ」と仰っていたそうです。
その話は5年くらい前に聞いて、その時は僕はよく理解できませんでした。
劇団昴はプロの集団ではないのか?と。
しかしながら、今なら、理解できるようになりました自分なりに。

ですから僕も、一から蘇るかんじで、甲子園のような舞台『ラビットホール』を目指そうとおもいます。
(ちなみに『ラビットホール』には、ボールもバットもアンパイアも出てきません。)



稽古はまだ読み合わせの段階です。
稽古を一日使って、お勉強会もしました。
『ラビットホール』に出てくるカタカナ単語や、物語の舞台となる街の風景・規模などを、写真と動画を見て、お勉強です。
演出助手の小野耀大さんが膨大な資料を用意してくださいました。
小野さんはパソコンとスマホを駆使して、あっという間にキャストの疑問点を調べてくださいます。圧巻です。

海外で上演された『ラビットホール』の映像もちょっと見ました。
さまざまなバージョンの『ラビットホール』があり、
僕の演じるジェイソンという少年にも、さまざまなバージョンがありました。

壮太郎さんは、そうしたバージョンに「勝てる」舞台をいまつくっていますと言いました。
僕は「そ、そうなのかなぁ…⁉︎」とちょっとひるみましたが、彼がそういうのならきっとそうだと信じて、稽古に励んでゆきます。

10月28日〜11月13日まで、板橋区のPit昴(サイスタジオ大山)で上演です。
ぜひお楽しみにしていて下さい…!

町屋圭祐
| 稽古場日記::ラビット・ホール | 22:12 | comments (x) | trackback (x) |
ラビット・ホール始まりました!
ラビット・ホールのお稽古始まりましたよ〜!
どうも、坂井亜由美でーす!


初めての、そして念願の本公演出演です。
とっても嬉しいです!
しかもいっぱい喋れる!
こんな嬉しいことはないです。

思えば劇団昴の舞台に初めて出演できた作品が8月のオーセージで、その時の演出家も田中壮太郎さんでした。
もう3年前か…と稽古の帰り道で懐かしんでしまいました。
あの時研修生だった私も今や正劇団員です!時の流れは早いですね…
今回も素敵な作品になりそうな予感です!!!





私は物語の中であんどうさくらさん演じる主人公ベッカの妹、イジー役を演じさせていただきます!
自由奔放で物怖じしない性格のイジーちゃんに稽古始まって間もないのに、既にぶんぶん振り回されまくりです〜!
でもとーーっても楽しい!稽古楽しい!
このご時世の中、こうして稽古ができる環境に感謝です!
また明日の稽古も楽しみだなー!


おっと、稽古に集中しすぎて写真がなかなか撮れなかったのですが、
ふと休憩の時に撮った演出家の田中さんと演出助手の小野さんのダブルメガネショットを…



田中さん、8月のオーセージの時に初めて老眼鏡を手に取ったらしいのですが今は「もう抗えなくなった」と必需品だそうです。笑
でも元の視力は2.0あるらしくて超遠くの段ボールの小さい文字まで読んでました。すごっ!

ラビットホール、前売り開始は9月28日(水)からです!ぜひお早めにっ!
| 稽古場日記::ラビット・ホール | 21:47 | comments (x) | trackback (x) |
ウィー・アー『ザ・ウィアー(The Wier)』フォーエバー!!
劇団昴公演『The Weir~堰』、
9月10日に開幕して17日間16公演。
おかげ様をもちまして好評の裡に無事閉幕いたしました。

このコロナ下にご来場ご観劇賜り、終演後には連日ダブルのカーテンコール!!(千秋楽はトリプル!!!)でお迎えくださった皆々様、誠に有り難うございました。

また
平時であれば遠方から駆け付けてくださる皆様からの「県境を跨いで移動できないので涙を飲んで今回の観劇は諦めますが、応援しています!」という御手紙やメールの数々…。
一同たいへん励みとさせていただきました。有り難うございました。




最終ブログ担当は、当然アカレンジャーことジャック永井です。
秘密戦隊ゴレンジャーの必殺技“ゴレンジャー・ストーム”が、最後にアカレンジャーが蹴って完成することにあやかって。。
…え?まだそれ続けるのかって??
続けますとも、初志貫徹!


さて、
上の写真は千秋楽の前日に撮ったもの。
中央に演出の小笠原響さん。衣装を着ているのは出演者。

黒い服は裏方の正装。
前列中央に舞台監督の三輪。向かって右から舞台監督助手の河田、夏目、笹井、新藤、山田。後方に音響オペレーターの北野さん、照明オペレーターの熊田さん。一番左に 引率のような佇まいの舞監助手の紫藤。

写真外では、
稽古初日にアイルランドの国柄や国民性を教えてくださった翻訳の小宮山さん、稽古初期から幕開きまで度々稽古場に来てくださった美術の松岡さん、衣装の萩野さん、照明の阿部さん、音響の藤平さん。
座内からは、稽古を仕切ってくれた演出助手の小関。& この日は出張中の制作・村上と作業中の大山。
…仮に全員居たとしても みんな舞台上に乗れちゃったんじゃないかしら?と思えるような、可愛らしくも頼もしいチーム。

~~~



「響さんの演出は、宝探しのようで“考古学的”」と、いつぞや書きましたが…
考古学には当然ながら根気と体力が不可欠で。
「明日は通し稽古を二回やりましょう」× 数日。…でも、これが意外と疲れない。
やれば何かを発見してもらえる、という期待感。前回より進歩したぞ、という充実感…。
しかし、考えてみたら…二回観る側は さぞ疲れるのでは??
しかもノンアルとはいえ目の前でうまそうにビールを飲まれたひにゃあ…。
「でもまぁ毎晩ワイン一本あけてるんで。」…いやぁ~なんたる体力。

残念ながら感染予防のため、打ち上げの無い本公演。
響さんには『次回昴へお招きした際には、われわれ堰チームメンバーは いつでも一緒に呑む権利』を約束していただきました♪

なるべく早く、その機会が訪れますように。
響さん、本当に有り難うございました!

~~~



「三輪(舞台監督)は、助手たちと共にピット昴(稽古場 兼 本番会場)に住み込んでいるのでは??」と、キャストの我々は疑っています。

立ち稽古の初日には 舞台は既に立体的に出来上がり、以降 日々色が塗られ、小物が飾られ…。美術の松岡さんが考えてくださった理想のプラン通りに、着々と仕上げられてゆく。
「さぁて、今日は昨日とどこが変わったでしょう?」「あ!床が張られている」「ビールタップが本物になってる!」…間違い探しを楽しむような毎日。
『ぬくもりを感じるバー』との お客様からの好評は、さもありなん。だって全部 手作りなんだもの!!



ビール主任の笹井、衣装主任の新藤も、毎日遅くまでよくやってくれました。
何の心配をせずともビールは快調に出るし (㈲宮林商店様、酒類全般たいへんお世話になりました)、
衣装の萩野さんが用意してくださった“着るだけで役に入りこめる衣装たち”は、毎回きちんと綺麗に整えられて出番を待っている。(ジャックのスーツは敢えてヨレヨレ)

『堰』劇中にも妖精の話が出てくることもあり、おとぎ話『靴屋の妖精』になぞらえて、僕は裏方のみんなを心の中で『黒い妖精さん』と呼んでいました。

くしくも三人は、昴の次回作『クリスマス・キャロル』に出演。
妖精ならぬ“精霊”が出てくる、昴の看板演目。

皆々様、ぜひ三人の表舞台での大活躍にご期待ください!

~~~

演出助手の小関も、稽古の仕切りからスケジュール管理まで お疲れ様でした。
響さんの演出の隣で録ったメモ書きは、これから優れた演出家を目指していく上で 貴重な財産となるでしょう。
(たまたまいない日に集合写真撮っちゃってゴメンよぉ~。)

4人の研修生たちも稽古初日から本っ当に良くやってくれました。
酒場のセットは小道具だらけ。それらを芝居に支障なく管理するには…よほど役者のすることをしっかり見ていないと出来ない。
グラスと水物、タバコの火、お札に小銭、壁の写真や飾り物、棚の置物、などなど。

稽古中、
危うく自分のではないグラスを持ちそうになった時には「先ほどグラスを持ち違えていらっしゃいましたが…」と紫藤からチェックが入り(感染予防のため要注意)、
タバコの火をつけ損ねた時には「マッチが湿気ってましたか?」と夏目が気をかけてくれ…

河田と山田はプロンプをしながらセリフの間違いをチェックし、毎日帰りにそのメモを渡してくれ…



いやぁ~よく見ていたなぁ~君たち!
決して短くはない稽古時間中ずっと集中して。
研修生=見習い期間。それだけ集中して気を配れる君たちは、いずれ芝居で配役されても 気持ちを切らさず稽古に集中できるに違いない。早くその日が来ることを一先輩として願っています。お疲れ様!

~~~

「やっぱり昴の芝居は光と音がイイ!」。
現在は各方面で活躍されている昴OBの諸先輩が、古巣を観に来て必ずおっしゃるのがコレ。今回はいつにも増して高評でした。

古びたバーの光と 昔話(妖精の話)の光。
日常生活の中の音と 記憶や空想上の音。
これらが絶妙に交錯することで、この“実際には事件らしいことは何もないストーリー”を、観客の心の奥底に響くドラマへと導いてくれました。

あぁ~、一度でいいから
劇中で振り返って見たかったなぁ~、妖精話の時の 怪しい光に照らされた店内を。
心底 聞き入ってみたかったなぁ~、昔話の場面に流れる音楽と 最終盤の波の音を。

出づっぱり喋りっぱなしではそうもいかず。
そもそも、その楽しみは客席に居てこそのもの。御客様に 光と音とのコラボレーションをお楽しみ頂くことこそ我々役者の喜びです。
照明の阿部さんとオペレーターの熊田さん、音響の藤平さんとオペレーター北野さん、有り難うございました。

~~~

こうなったら
パンフに名前のある人みんな書いちゃお。



宣伝美術の真家さん。
昴ではいつもお世話になっていますが、
今回のチラシ、実は僕の大のお気に入り。だって可愛いんだもん♪♪
色合いといいイラストといい…とても50過ぎのむさいオッサンが暴れる芝居とは思えない(笑)。しかし劇全体のイメージにはジャストフィット。有り難うございました。


制作の劇団昴さん。
つまり、制作部・村上、大山。

感染対策等いつもと違う公演ということで、今回もっとも神経を使い頭を痛めたであろう制作部。
公演が終わればゆっくり休める俳優部と違い、日々業務は続くのだろうけど…
ひと山越えたところで たまにはのんびりしてちょ。とりわけ僕と同期で同学年の村上、お互い若くはないんだからさ。

えーと、
パンフに載ってる人については以上ですかね。

あ、
載ってないけど いつも大変なのが
票券チーフの茂在。と、日々入れ替わりでサポートしてくれていたみんな。
ことに今回は 感染対策で半減した客席をなんとかやりくりして良く対応してくれました。

昴の場内係はご存知の通り 非出演者たちが、お客様とのコミュニケーションを兼ね入れ替わり総出でやっているのですが…、
今回は「密を避けよ」のお達しを受けて各回必要最少人数。会話も控え 気を使う事柄も多く大変だったことでしょう。みなさんお疲れ様でした。


えぇーと…、
あと誰のこと書いてないかな?
もうみんな書いちゃったかな??
…そうすると もう書くこと無いので…

書き終わっちゃうんだよなぁ…。

書き終わりたくないのですよ!

そりゃ芝居の幕は下りたんですけどね。
身に余る拍手を浴びて、最高に幸せに幕は下りたんですけども……
ブログまで書き終わると、もうホントーに終わっちゃう気がしたりして…。

これを書いてるのがスマホじゃなくて
手紙だったら、
涙で文字が滲んでいるところです。(ウソです…いえ、半分本当かも)

あ!
まだほとんど書いてない人たちがいました!

共演の、後輩4人。
よし、彼らを最後に筆を置こう。。

いつぞや「稽古はいい空気です」と書きましたが、結局 稽古初日から本番千秋楽に至るまで、ずーーっと いい空気でした。
感染対策で窓・ドア開けっ放し&空調回しっぱなしだったから、ではなく、

演出家の的確なサジェスチョンを受け止めて、各人が自分の役と真摯に向き合っていたからだと思います。
それぞれの自分の役への愛着の深さは、このブログの読書皆様にはお分かりいただけるでしょう。

ふつう、
一番期が上の出演者は“座長”と呼ばれ、一座を引っ張る存在であったり、時には場を引き締めたりするもんなのでしょうが…

僕はそんな存在でもなく、引き締めようにも そもそも緩んでいないので その必要がない。

先輩からの“厳しめのアドバイス”は後輩たちにとって、ときに良い刺激だったり、
ときに行き過ぎて逆効果だったり、はたまた 単なる“先輩かぜ”に思われたり…。

それが今回は、不思議なほど 風も波も無し。山場も修羅場も、影も無し。
まぁ全員おだやかな性格だから不思議がることもないとはいえ、

僕にとっては、実は全員が『ガッツリ共演は初めて』の後輩たち。
当初は若干の不安もあったものの…

それぞれが毎日良い準備をして稽古場にやって来るので…余計なアドバイスの必要も無し。
『たまたま年長の一出演者』として、皆を信頼して芝居に臨むことができました。


今回 僕が唯一“先輩かぜ”を吹かせたことを自認しているのは、
「ブログは一人4回、一生懸命書くべし」との指令のみ。

しぶしぶかと思ったら、
すぐさまゴレンジャー話にまでノッてくれる、優しくも頼もしい後輩たちよ、

昴らしい充実の舞台を
みんなで作り上げることが出来て、感無量です。
稽古中も本番中も、ずぅーっと楽しかった。
つくづく、みんなと共演できて幸せだったよ♪♪
ありがとう!!!


以上
『The Weir~堰』ブログ、
長々とご愛読いただき有り難うございました。

最後に

五人揃ってゴレン……じゃなかった、

五人揃って、
『The Weir~堰』!!!!!



| 稽古場日記::The Weir ─堰─ | 13:39 | comments (x) | trackback (x) |
千穐楽前夜

ヴァレリー役のあんどうさくらです。
いよいよ明日は千穐楽。

一昨年、座内報で発表されたキャスティングの知らせに体が浮くほど驚きました。
演出の小笠原さんとは初めての舞台。
出演者は5人。
しかも女性は一人で、他のキャストは全員先輩。
5人しかいないしきっと台詞量も多いだろうなぁとドギマギしながら台本を受け取るとそりゃあまあそうだろうという台詞量、こーれは緊張感ある…と慄きました。

稽古が始まる数日前はうなされ、「夢で」知らない作品の本番を迎えたり、全然セリフを覚えてないのに本番を迎えたりする日々でした(笑)
役者あるあるらしいですが、なんでかしら。
初舞台の時の夢は、なぜか子供を産んだばかりらしく袖にベビーベッドを置いて本番を迎えてました。どういう意味があるんだろう??(笑)

しかし稽古が始まってみると、小笠原さんをはじめ、座組の雰囲気がとてもよく。最初の頃のブログで平林さんが仰ってましたが、出演者も、出演者以外の裏を手伝ってくださっている役者もスタッフも、皆んなが会話に参加して意見を出し合って。
自粛の間に溜め込んだコミニュケーション欲もあったのか、人との会話が楽しくて楽しくて。すごく素敵な時間でした。

席数を減らしてはいるものの、お客様にもたくさん足を運んでいただけて。

なんてなんてありがたい環境なのでしょう。

ラスト一本、さらに気合を入れてのぞみたいと思います。



写真は無事完走できることを祈って鏡前に貼ったアマビエ様。
見守ってくれてありがとうございます!!
| 稽古場日記::The Weir ─堰─ | 20:07 | comments (x) | trackback (x) |
ブレンダン バーンと音。
ブレンダン役の高草量平です。
公演回数も残り少なくなり、お客様から連日温かい拍手を頂いております。

生ビールの扱いにも慣れ、グラスの扱いにも慣れ、ショットグラスを磨きまくり、ブランデーグラスの扱いにも慣れ、小銭をカウンターに置く音が快感になりすっかり落ち着く今日この頃。

稽古中にグラスを割り、生ビールをこぼしまくり、コルクを割り(たまに本番中も割りますが、割れたら割れたで楽しんでいます)
割れたグラスも無駄ではなかったなぁ。

劇中何度かカウンターから出てはホームであるカウンターに入るシーンがありますが、まるでやどかりの気分ですね。

さて、カウンターの中はお客様は観る事がないのですがカウンターの中の説明を少しさせて頂きます。
サーバーの真下に冷蔵庫があり3枚ダスターが用意されています。グラス用1枚とテーブル用2枚です。

ちなみにシンクはありません。只、空いているスペースをシンクがある程として扱っています。架空のシンクの真下にはビンのギネスビールが2本。右側には棚が用意されショットグラス、ワイングラス、ビールグラスが収納されています。
左から冷蔵庫、架空のシンク、棚という順番で並んでいます。そして棚の上、カウンターと棚の間にはレジが設置されています。

足元にはバケツが用意され、お代わりや、少し残ったビールなんかはそこに捨てています。

使い終わったグラスは白いカゴが用意されてるのでそこに重ねています。
そしてグラスを割ってしまった際の対処として箒とちりとりが用意されています(出番がない事を祈ります)

バケツのすぐ前には冷蔵庫があり、ヴァレリーの白ワインを入れています(電源は入っておりません)冷蔵庫の開閉音は劇中でも出しています。冷蔵庫の上にはジャックとブレンダンのロックグラス、ヴァレリーのブランデーグラスが設置されています。

小銭の音やら、グラスの音やらカウンターから色んな音を出しています。

さて1番すきな「音」第一位を勝手に発表します。

ジャック役の永井さんが、芝居の後半で「最後に一本吸うか」の台詞の後に砂利浜からでしょうか。波の音が小さく入ります。

実は1番好きなシーンで、あの瞬間に閉店間際の寂しさと、お店の外は真っ暗で、ひゅうひゅうごうごう風が吹いている。そんな事を体感します。侘び寂び満載ですね。

ブレンダンは自然やスピリチュアルな部分に比重がある役ですが、カウンターに置くビールの音、コインの音、波の音、20ドル札を終うレジの音、グラスを重ねる音、白ワインの栓を抜く音。

そんな音に耳を澄ませていると、なんだかブレンダンを身近に感じますね。



写真はブレンダン必須アイテム ダスターです。
夏目陽希さんがセットしてくれています。
彼女が手に持っているのがグラス用、カウンターにあるのがテーブル用。白いダスターはテーブルで大量にこぼした場合の緊急用です
| 稽古場日記::The Weir ─堰─ | 09:43 | comments (x) | trackback (x) |
『フィールド・オブ・ドリームス』とシェイクスピア
フィンバー役の岩田翼です

17日間の公演期間も半ばの休演日に、気分転換のために、家のテレビに録画してあったケビン・コスナー主演の映画『フィールド・オブ・ドリームス』を観ました。(ネタバレあり)もう上映されてから30年も経つ映画ですが、映画のロケ地であるアイオワ州のトウモロコシ畑の中の小さな野球場のすぐ隣に今年、メジャーリーグの試合ができる設備を備えた野球場を特設。一夜限りでニューヨーク・ヤンキースとシカゴ・ホワイトソックスの試合が行われたという映像をニュースで見て、どうしてももう一度映画を観たくなりました。試合の前には30年前の映画の主演のケビン・コスナー氏が登場して名セリフ「Is this heaven?」を披露したり、現代の選手たちが映画さながらにトウモロコシ畑から歩いて出てきたり、それはそれは感動的でした

映画は昔観た記憶はあるもののほとんど内容を忘れていました。今、僕が出演中の『堰』とは全く関係ない映画ですが、あえてそういう作品に触れることで心の栄養と刺激をもらおうと思って休演日に観るのに選んだ作品でした

が、始まった途端、出てきたセリフが「父親はアイルランド系なんだ」というもの。『堰』の舞台はアイルランド。しかも僕が演じるフィンバーは父親との関係が役に大きな影響を与えています。「むむ、これは・・・」と思いましたが、まあ、アメリカにはアイルランド系の人も多いからね、よくあることだとスルー。しかし続いての映画のセリフが「禁煙して18年」。『堰』のフィンバーも禁煙して18年!なかなかの偶然だわ・・・

そのまま観すすめてたくさん感動して観終えたのですが、この作品って良く考えたら、メジャーリーグを悲しい八百長疑惑で追放されたホワイトソックスの往年の選手たちが幽霊となって再び登場し、夢の再試合を果たすというストーリーなんですよね。ほぼ幽霊が主役。『堰』もテーマはほぼ幽霊・・・

というわけで、芝居から離れて気分転換しようとしたつもりが、どっぷりと同様の世界に浸ってしまいましたとさ、というお話でした。ちゃんちゃん

でも改めて観ても本当に素敵な作品なので心の栄養と刺激はたっぷりといただきました

ちなみにダース・ベイダーの声を担当されているジェームズ・アール・ジョーンズ氏も出演されていて、その声にも惚れ惚れ。『スター・ウォーズ』マニアとしてはたまらん!



話は変わって、前回ブログ担当の平林さんと前々回の永井さんに続き、役作りについて

『堰』で僕が演じるフィンバーは地方の成金実業家で、うるさくて、イヤミで、故郷のみんなからは煙たがられる存在なので、ほぼほぼ僕自身ではないと思っているのですが、考えるとですね、僕が昴で演じてきた役って、金を持ってて威張ってて時にちょっとおバカってのがとても多いんですよ。あれ!?おれってそういうイメージなの?誰か教えて~。でもお金はそんなに持ってないのは確かなんだけどな

まあそれは置いといて、フィンバーは人物の背景の情報量がとにかく膨大なのです。生まれ育ちや、過去と現在の暮らしぶりが波瀾に満ちていることに加え、それ以外にも、セリフにだけ出てくる具体的な人物がざっと20人以上。その中にはかなり濃密に関わっていそうな人物も多いので、そのへんの人々との関係や役への影響を想像したり創造したりすることにかなりの時間を費やしました。稽古中の新たな発見によりそういう人との関係の想定を変更することもしばしば

で、稽古中にもそういう作業が延々と続いていたのですが、それでも、何で突然こんなセリフを言い出すのか理解できない、難問といえる箇所もいくつか。そのうちの一つ、ちょっとネタバレですけど、何で急にスープストックやシチュー鍋の話をし出すのかが超謎でした。まあレストランとホテルを経営してるから不思議は無いのですが、話の出し方が何か唐突で違和感が。しかも近いタイミングで2回出す。考えてもわからないので、まあいいかと放置していたのですが、ある日突然、閃いたのです。こりゃシェイクスピアの「マクベス」だと

ぐつぐつ煮立つ鍋を囲む三人の魔女にそそのかされ父親同然に慕う王を殺し、その亡霊と罪悪感に追い詰められるマクベス。一方『堰』ではフィンバーの家の隣に引っ越してきた三人の娘たち。スープとシチューの大鍋。そして幽霊に怯えるフィンバー

台本では、フィンバーは偉大な父親を尊敬していたようにも読み取れますが、父への対抗意識が垣間見えるセリフもあり、もしやフィンバーもプレッシャーから父を階段から突き落として・・・、なんて想像も。あの日から18年と即答できるのは時効を待っているのかとか。だとしたら隣に引っ越してきた娘たちの父親が警察官だったことにさぞやドキドキしたろうなとか、その父親がシャーロック・ホームズやロンドン警視庁の警部ほど有能な人物ではなく凡庸な巡査であることに少しホッとしたろうなとか想像がふくらみます。そしてフィンバーの苗字は「マック」。マックとマクベス。名前によく使われる字ではありますがどちらもMac。

『堰』の作者はアイルランド人。お隣イギリスの超有名な劇作家シェイクスピアの作品には当然親しんでいたことでしょう。単なる作者の遊び心とも考えられますが、多少なりとも意識していたことは確かなんじゃないかなぁ

まあマクベスと同じ設定をどこまでフィンバーに採用するかは僕の匙加減で良い加減に。いただけるものはいただいて放棄するものは放棄。まだご覧になっていない方はぜひ舞台を観て確かめてみて下さい

だとしたら当然、他の登場人物にもそんな風にあてはまる人物はいないのかという疑問が。そしていたのです。これはジャック役の永井さんが気づいて教えて下さったのですが、ジャックの終晩のセリフの中に「デンマークかノルウェーか」というものがあります。シェイクスピア作品で主人公がデンマーク王子であり、最後はその地をノルウェー王が征服する作品といえば、そう『ハムレット』。そしてジャックの苗字は「ムレン」。ね、面白いですね。そしてハムレットと同様にジャックも若かりしころやるかやらないかでとても悩み苦しんだ

野心のために大それたことをやってしまって後悔と罪悪感と亡霊に悩まされるマクベスまたはフィンバー。やるかどうか迷いに迷ってそんな自分の不甲斐なさに自己嫌悪するハムレットまたはジャック。そんな対比も垣間見える奥深い作品なのです。
| 稽古場日記::The Weir ─堰─ | 11:07 | comments (x) | trackback (x) |
ジムに手紙書いてみた
本番も折り返し地点。
毎日暖かいお客様に囲まれて、幸せいっぱいのジム平林です。

ノンアルコールビールにもすっかり慣れて、酔っ払う事はなくなりました。逆に美味しくグビグビいっちゃって、おかわりのタイミングが待ち遠しい今日この頃。
ノンアルでもカロリーや糖質は多いのでしょうか?体重がメキメキ上昇中です。

『The Weir - 堰 - 』ブログ、今回が平林最後の投稿。一度やってみたかった「ジムに手紙書いてみた」のですが、ちょっとブログには載せられないほど酷いものになってしまいました。
でも載せちゃいます。





〜〜〜〜〜
親愛なるジミーへ
すまん。結局俺は、君がどんな奴なのか確信が持てない。
だからごめん、「ほぼ俺」でやらせてもらってます。
でも、メチャメチャしっくりくるんだよね。もしかしたら俺ら似てる?
じゃ、楽日までよろしく。
〜〜〜〜〜





ね。酷いでしょ。
なんかもっと感動的なもの、例えば「君のおかげで自分に自信が持てた」とか「成長できて感謝してる」とか想像してたんだけど、さんざん考えた挙句にこのザマです。

でもっ‼︎
言い訳させてください。
一年半前に台本をもらって、ジムという人間をいろいろ想像しました。
稽古の40日間は、ジムはどう考えるか?どう行動するか?なぜこのセリフを喋る?なぜここでは喋らない?と、ジムの思考回路と行動パターンを四六時中研究してました。
そして、いろいろなジムを試してみて、余計な物を取りはらったら、「ほぼ俺」が出来上がったんだと思うんです。
つまり、よく一流の役者さんが、「役が憑依する」というような事を仰いますが、まさにそれじゃないかと思うんデスヨ。
だって、こんなに力を抜いて舞台に立てた事は、今までなかった気がしますし、たまに普段の話し方もジムっぽくなってたり。
そしてその状態で舞台に立ってると、不思議な事に、心の引き出しの奥に封印したはずのジムたちがチラッと顔をのぞかせたりするんです。いいタイミングで。
やはり全ての稽古は無駄ではなかったんですね〜。

ジャック永井さんも、この前のブログで、ジャックの役作りは「ほぼ自分」と書いてました。
でも稽古初期から比べると、断然ジャックに憑依されてるように見えます。もちろん、ほかの出演者もみんな。
俺だけ例外という事はないと信じたい。

だから、ジムへの手紙は自分に手紙書くようなもので、なんか照れ臭い。
まして「おかげ」とか「感謝」はしっくりこないのでしょう。
本番が終わってしばらくしたら、また違った見方になるかもしれません。

ダラダラと書いてしまいましたが、
『The Weir - 堰 -』前半戦ほぼ満席、かなりご好評をいただいております。
美術・照明・音響もホントにカッコいい‼︎
後半の日程、まだお席が用意できる日があります!

平林のTwitter(@takayo_ji)にお客様からの感想や劇評をリツイートしてます。そちらもチェックしていただけたら幸いです。

劇場でお会いしましょう‼︎

ジム平林弘太朗



舞台セットの床。
これ作りものなんですよ。
信じられないほどリアル。
| 稽古場日記::The Weir ─堰─ | 00:32 | comments (x) | trackback (x) |

  
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